「居酒屋ぜんや」シリーズ2作目。
ヒロインの性格がはっきりしてきて面白かったです。
美味しい料理に皆が集まってくる居酒屋を、今は一人で切り盛りしているお妙。
はっと目を惹く美貌だが自分ではあまり意識していないのは、2年ほど前に亡くした夫の善助を今も思っているのと、元々さっぱりした気性のよう。
夫の姉が給仕の手伝いに来ており、大して働かないが客に睨みを利かせる役どころ。
夫は二回り年上で、そもそも善助とその姉は妙の養い親だったのだ…
林只次郎は小禄の旗本の次男で、鶯の鳴きつけで家計を支えている。
食いしん坊で、妙の料理と優しい笑顔に魅了されているが、ほとんど異性とは意識されていない(笑)
今回は、まずは「花の宴」
花見に常連が集まった時のお料理。
只次郎がやや苦手とする柳井殿が登場。兄嫁の父であり、北町奉行所の与力、中年だがモテ男で粋。
「鮎売り」では、売れない鮎を抱えて困っている少女をお妙が助ける。
その気っぷの良さに、魚河岸の男たちが店までやってくる。
「立葵」
只次郎の姪のお栄は賢い子で、学問をしたいのだが、それは当時の常識ではない。
只次郎はこっそり教えることにするが…
「翡翠蛸」
升川屋の新妻・お志乃が食欲をなくしているという。上方の味を提供するお妙の工夫は‥
そして、夫に対してお志乃は?
「送り火」
穴子天が出てくるのは最終話です。
物語は基本、ほんわりした雰囲気で展開しますが。
背景には事件が隠れているよう。
人情噺だけど、年号もはっきりしているし、出来事は世相にも関係するのかな…
じっくり読ませていただきましょう☆
- 感想投稿日 : 2021年6月19日
- 読了日 : 2021年3月1日
- 本棚登録日 : 2021年6月19日
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