千夜千冊エディション 情報生命 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044004132

作品紹介・あらすじ

SF、遺伝子、意識・・・。地球生命圏には、まだなお未知の情報生命があっても不思議はない。先人のさまざまな考察を生命の進化、ゲノムの不思議、意識の不可思議等々から、多角的に分析。

感想・レビュー・書評

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  • 「千夜千冊」シリーズ三冊目。相変わらず難しそうな本、聞いたことも無い本が多く紹介されているが、いくつか古典的SF作品も紹介されているのがホッとする。

    作者によると、本作で紹介されている作品では「ぶっ飛んだ思想や深い思索」に出会えるそうだが、残念ながら少し古い本も多く絶版になっている作品も多い。
    遺伝子や進化をめぐる話題は、その知見がかなり更新されているような気もするが、正剛さんの紹介しているものは本質的に古びてないのでしょう。読了している本がないので確定的な事は言えないが笑。

    積読状態になっている本がいくつかあるので近々読んでみたいが、果たして見つかるか笑。

  • かなり詰まっていて重いので軽い本と並行してよむとよい…
    ニューロマンサーを筆頭にSFをよく読んだ方がいい!!
    生-情報系、意識は情報の複雑系に依ることは共感。負のエントロピー。

  • 第1章 主上・情報・再魔術

    428夜 アーサー・C・クラーク 『地球幼年期の終わり』
    80夜 J・G・バラード 『時の声』
    538夜 ブライアン・W・オールディス 『地球の長い午後』
    584夜 ジェームズ・ラヴロック 『ガイアの時代』
    446夜 グレゴリー・ベイトソン 『精神の生態学』
    1241夜 モリス・バーマン 『デカルトからベイトソンへ』

    第2章 生命と遺伝子

    1043夜 エルヴィン・シュレディンガー 『生命とは何か』
    1621夜 A・G・ケアンズ=スミス 『遺伝的乗っ取り』
    598夜 アントワーヌ・ダンシャン 『ニワトリとタマゴ』
    1069夜 リチャード・ドーキンス 『利己的な遺伝子』
    1620夜 マット・リドレー 『やわらかな遺伝子』
    1618夜 中村桂子 『自己創出する生命・ゲノムが語る生命』
    647夜 スーザン・ブラックモア 『ミーム・マシーンとしての私』

    第3章 創発するシステム

    1063夜 ウンベルト・マトゥラーナ&フランシスコ・ヴァレラ 『オートポイエーシス』
    1225夜 蔵本由紀 『非線形科学』
    1060夜 清水博 『生命を捉えなおす』
    1066夜 ジョン・キャスティ 『複雑性とパラドックス』
    1076夜 スチュアート・カウフマン 『自己組織化と進化の論理』

    第4章 サイバー・ヴェロシティ

    10夜 ルネ・デュボス 『内なる神』
    805夜 デイヴィッド・ピート 『シンクロニシティ』
    207夜 ジョン・C・リリー 『意識の中心』
    936夜 ティモシー・リアリー 『神経政治学』
    883夜 フィリップ・K・ディック 『ヴァリス』
    91夜 デヴィッド・ストーク編集 『HAL伝説』
    62夜 ウィリアム・ギブスン 『ニューロマンサー』
    1117夜 ハキム・ベイ 『T.A.Z.』
    230夜 マーク・デリー 『エスケープ・ヴェロシティ』
    402夜 チャールズ・ペレグリーノ 『ダスト』

  • 生化学のバナール、量子力学のシュレディンガー、地球科学のヴィグナーは揃って、「地球の生命体とは周囲の環境から物質や自由エネルギーを取り入れることによって内的なエントロピーを減少させ、変衰した物質やエネルギーを排出する開放のシステムである」と結論付けた。
    ラブロックのガイア仮説はリン・マーグリスが支持し、共同研究を行った。批判の急先鋒には、リチャード・ドーキンスやフォード・ドゥーリトルらがいた。

    ドーキンスは、コンラート・ローレンツ、アイブル=アイベスフェルト、ロバート・アードレイが進化において重要なのは種の利益であると考えているのは間違っていると書いた。ドーキンスは、ジョン・メイナード=スミスのゲーム理論における戦略シナリオに相当するものを「表現型」と表現して、この仮説を「延長された表現型」で立証しようとした。スティーヴン・ジェイグールドは、遺伝子が個体に働いているのではなく、個体群あるいは種の系統ではたらくと考えた。ダニエル・デネットは、認知科学の立場からドーキンスを支持した。

  • <目次>
    第1章  主上・情報・再魔術
    第2章  生命と遺伝子
    第3章  創発するシステム
    第4章  サイバー・ヴェロシティ

    <内容>
    難しい1冊だった。生命の解明(生命の発端や進化、我々の存在に関わるもろもろのこと)と物理や宇宙科学、さらには聖書や宗教の考え方、すべてがリンクしている。そこの結点には、SFがあるのかもしれない。またLSDのような麻薬の効果も…。

  • これだけの本を読んでいる人と、同じ本をまったく読んでいない自分。

  • 素晴らしい。本の紹介でありながら、現代社会の見方まで学ぶことが出来る。

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著者プロフィール

一九四四年、京都府生まれ。編集工学研究所所長、イシス編集学校校長。一九七〇年代、工作舎を設立し『遊』を創刊。一九八〇年代、人間の思想や創造性に関わる総合的な方法論として″編集工学〟を提唱し、現在まで、日本・経済・物語文化、自然・生命科学、宇宙物理、デザイン、意匠図像、文字世界等の研究を深め、その成果をプロジェクトの監修や総合演出、企画構成、メディアプロデュース等で展開。二〇〇〇年、ブックアーカイブ「千夜千冊」の執筆をスタート、古今東西の知を紹介する。同時に、編集工学をカリキュラム化した「イシス編集学校」を創設。二〇〇九~一二年、丸善店内にショップ・イン・ショップ「松丸本舗」をプロデュース、読者体験の可能性を広げる″ブックウエア構想〟を実践する。近著に『松丸本舗主義』『連塾方法日本1~3』『意身伝心』。

「2016年 『アートエリアB1 5周年記念記録集 上方遊歩46景』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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