前職で燃え尽き症候群に陥った主人公が職を転々とするお話し。
最初のうちは黙々と淡々と誠実に仕事をこなしていくのだが、慣れてくると段々それでは飽き足らなくなってしまう。「このままの状態でコツコツと仕事を続けた方が幸せなんじゃ」と思うのだが、次第に余計なことをしたり、過度な情熱を注ぎ込んだりしてしまうので「これではバーンアウトした最初の仕事の二の舞じゃ」と読んでるこちらが心配になる。しかし、転職するたびにこの傾向は強くなり、、、
津村記久子お得意のお仕事小説。
主人公は仕事と愛憎関係に陥る人だ。このタイプの人にとって、この世にたやすい仕事はないのだろう。
せめて毒でも吐いて発散して欲しいのだが、今回はシニカルな発言も控えめ。津村さんの少しナナメから見たような醒めた視線が好きなのだが、ちょっと残念だ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年10月10日
- 読了日 : 2023年10月10日
- 本棚登録日 : 2023年10月1日
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