冷泉家 八○○年の「守る力」 (集英社新書)

著者 :
  • 集英社 (2013年8月21日発売)
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感想 : 10
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「新しいこと」「変えること」に無条件に価値を見出す人々がいる。
品のない価値観だな、と思うことがなんどかあった。

この本では、公家の価値観は「『昔からそうしてきたから』でけっこうやないですか」というところにある。と紹介している。
それがまつりごとを運営する力、有職故実というものであり、公家の力の源泉である。といういうことらしい。

しかし、それはそれでいやなものだなぁ、とも思う。
是々非々が「いい加減」じゃないだろうか。

一般に男子男系で代々継ぐ、というのが「家系」というイメージがあると思うのだが、著者自身が養子をとって冷泉家を繋いだ、という人。

「冷泉家800年の『守る力』」というタイトルだが、著者は血脈と家は違うもの、という感覚を持っているように感じられた。

また、冷泉家は、元々は藤原氏の一人の後添いが、先妻との子供に渡すはずだった資産を、60歳近くの当主との間に作った子供に渡すよう遺言状を書かせ、裁判沙汰のあげく立ち上げたお家柄、と紹介されている。

立ち上げ、守る力。けっこうえげつない力だったんだなあ、と感じた次第。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2014年1月5日
読了日 : 2014年1月5日
本棚登録日 : 2014年1月5日

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