終始閉塞感を覚えながら読んでいたが、捜し物は図書館までの後に読んだので「残りの人生なんてない」ってコトバを思い出すと、それぞれが味わいある人生を生きてるんだって温かい気持ちで読了できました。
こんな人生のはずじゃなかったって心の底で現実を受け入れられないまま生きている人は実際多いのではないかと思う。年齢、性別を超え、自分の現状を受け入れ、この現実世界に新たな一歩を踏み出す大人の物語でもある。
また、自己肯定感について考えさせられた。歌子と美留久の違いも自己肯定感の違い。世間の規格で自分を測る必要はない。歌子の寛大な母性と表現されている魅力もそういったところから生まれている。そんな歌子だが、母を赦すか赦さないか決めかねているとこが人間らしくてかわいい。
途上なやつらに囲まれ、いずれ歌子も母を赦すことにより母性に慈愛が加味され、ド派手な慈母観音的な存在(決して優しそうに微笑んだりしない)になっていくのではないかと勝手にそんな想像を膨らませてます。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
面白かった
- 感想投稿日 : 2021年9月10日
- 読了日 : 2021年9月9日
- 本棚登録日 : 2021年8月4日
みんなの感想をみる