アメリカの貧困事情を紹介する本のようにみえるが、
本書の要旨は「資本主義社会の行き過ぎた民営化」ではないか。
アメリカンドリームという言葉に弱いアメリカ人は自由や競争=
誰にでも与えられる機会の平等と思い込むふしがある。
決して手をつけてはいけない医療や暮らし、教育が市場に引きずり込まれた現在、
政府やメディア、大企業に搾取されていると知らずに安易に民営化を支持することは、
更なる格差の拡大を引き起こすと著者は説く。
本書では詐欺のような医療保険制度、軍隊入隊勧誘、給食制度を例に行き過ぎた民営化が紹介されている。
そして本書の最後では、相対性貧困率ランキングでアメリカに次いで
二位の日本はアメリカの後を追っていると警鐘を鳴らす。
過剰な市場原理主義の流れに呑みこまれないようにするためには「何が起きているか知ること」が大切だ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
社会・経済・政治・法律
- 感想投稿日 : 2012年2月1日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2008年1月22日
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