信長、秀吉、家康は無論のこと、正宗あたりはもう読み飽きた感もある有名武将。「立ち食いうどん屋入ったけど、きつねも天ぷらも月見も食い飽きたし、なに食おうか」って時に「そうや、たまにはかきあげ行ったろ」的な明智光秀(この比喩合うてるか?)にスポットをあてた歴史小説なんだけど、かきあげうどんの味付けもちょっとひねってあって良い。
4つのお椀やサイコロ賭博の話あたりをちりばめた冒頭から中間までは、なんとも新しい手法で歴史物語を描いてるなぁ、とその変化球っぷりにはまるんだが、意外にも後半、特に本能寺の変を主人公格2人が解読していくあたりは、なんと直球勝負。それも決して剛速球じゃないのに歴史っぷりを感じるのは、前半の変化球があってこそのストレートって配球的なひねりかたなんだと思う。これがバッチリはまって心地よい。歴史小説にしてはちょっと軽い感じもするが、のぼうの城ほどではない。むしろ歴史モノ苦手な人に丁度とっつきやすいぐらいじゃないかと思う。
意外と読んでなかった垣根作品、これを機にボチボチ読んでいこうかと思う。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本小説
- 感想投稿日 : 2014年2月14日
- 読了日 : 2014年2月14日
- 本棚登録日 : 2014年2月13日
みんなの感想をみる