越境がテーマになった作品。
夜を超えて走る列車は、国境を超え、日常を超え、読者の思惑を超えて進む。
たぶん、この物語に終着点というものはなくて、「あなた」と名指され、否応なく物語に取り込まれてしまった読み手の私が、この先の夜を超えて引き受けてしまうんだろう。
それにしても、冒頭で「あなたは」と指を突きつけられることで、こんなにもハッとさせられるとは思わなかった。語りを聞くはずの私が、語り手によって語られる存在にひっくり返された。
私は、今頃、どの辺りを走っているんだろうか?
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年10月22日
- 読了日 : 2021年12月22日
- 本棚登録日 : 2021年5月14日
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