容疑者の夜行列車

著者 :
  • 青土社 (2002年6月1日発売)
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本棚登録 : 473
感想 : 50
4

越境がテーマになった作品。
夜を超えて走る列車は、国境を超え、日常を超え、読者の思惑を超えて進む。
たぶん、この物語に終着点というものはなくて、「あなた」と名指され、否応なく物語に取り込まれてしまった読み手の私が、この先の夜を超えて引き受けてしまうんだろう。
それにしても、冒頭で「あなたは」と指を突きつけられることで、こんなにもハッとさせられるとは思わなかった。語りを聞くはずの私が、語り手によって語られる存在にひっくり返された。
私は、今頃、どの辺りを走っているんだろうか?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年10月22日
読了日 : 2021年12月22日
本棚登録日 : 2021年5月14日

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