イスラム飲酒紀行 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2014年7月15日発売)
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酒を禁ずるイスラム圏で酒を求める旅をする。
カタール・ドーハ、パキスタンからアフガニスタンへ、
チュニジア、イラン、マレーシア、トルコ・イスタンブール、
シリア、ソマリランド(ソマリア北部)、バングラデシュを
巡ってわかった飲酒事情を描いた、ルポルタージュ。
海自の友が、中東派遣で上陸しても酒が飲めないんだよ~と
こぼしていた、禁酒のイスラム圏ですが、探してみれば、
実は酒はあるし、飲めるということを実証した冒険?体験談。
謎の動物捜索や妻との旅、行ってみたいな生のイラン、
ユーフラテス川の下見、未確認国家訪問などの珍道中。
しかも、訪れる場所は国情不安定、テロ、内戦の地が主。
厳しい現実を目の当たりにすることだって、ある。
そんな場所を訪れる行動の原動力は酒!
禁酒のイスラム圏でも著者は酒に関する勘と嗅覚、
情報収集能力の高さで、駆けずり回り、探り当て、
様々な酒に巡りあえています。
しかも現地の人々に突撃し、楽しく飲み交流するポジティブさ。
なんとも凄い人だ・・・仲間のカメラマン氏も同様に。
思えば、どこにも永い歴史が横たわっているから、
他民族が入り混じっていたり、キリスト教の存在もあるし、
そもそもイスラム教だって宗派がいろいろあるし、
禁酒だって歴史の中では新しいことなのですね~。
オアシスの手作り酒、トルコのラク、ドブロク、密輸酒、
ムスリムの地酒など、実際に行かなきゃ飲むことの出来ない
酒との出会いが、新鮮で面白かったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2022年4月19日
読了日 : 2022年4月19日
本棚登録日 : 2022年4月3日

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