灰色の背景に、「ニコルの塔」と題された物語、見事に引き(惹き)込まれました。寄宿舎と授業塔を往復するだけの単調で静かな日々、地球のマントに刺繍する12人の乙女たち。それはまるで籠の中の小鳥のよう。そんな閉じられた世界が開かれた時が、この物語の本当の入り口であり、始まりなのです。物語の真実、そこから広がる新たな世界。どこか寂しくしんと静かなこみねさんのイラストと小森さんのファンタジーによって読み手の想像もさらに広がります。バロの3枚の絵から創り出されたファンタジー。たまらなく好き。幸せな読書時間でした。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ファンタジー
- 感想投稿日 : 2013年5月4日
- 読了日 : 2009年10月30日
- 本棚登録日 : 2013年5月4日
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