村田エフェンディ滞土録 (角川文庫 な 48-1)

著者 :
  • 角川書店 (2007年5月25日発売)
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本棚登録 : 3629
感想 : 442

歴史や文化について、考えさせられました。テーマがハッキリしていて、よかった。キャラクターもみんな魅力的で、好きです。
とても面白かったけど、読了後の感覚が、淋しかったです。

それは彼らの辿った道のせいでもあるけど、それに加えて親しみを持ったキャラクター達が、物語の終盤で、どんどんどんどん、遠いものに感じられていったからというのも大きいと思う。
まるで、この時代にタイムスリップしていたのに、一気に現代に引き戻されたみたいだった。ホームドラマみたいに身近だった人物が、いきなり歴史の中の一人になるのが切なかった。
視点を彼らのとても生活感のあるところから、ぐんと遠いところに持ってくることで、歴史もあたしたちみたいな普通の多くの人の生活からできたものなんだなあと感じられた。
そして、そのことが作品全体のテーマになっているように見えた。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2011年9月23日
本棚登録日 : 2011年9月20日

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