タイトルと本の表紙から軽く読む感じの小説かと思いきや、意外(?)にも深かった。
お金について改めて考えさせられた。
物語の主人公は、ある一家の3世代の女性と、そのおばあちゃんの知り合いの男性。
彼らの話がそれぞれ描かれていて、それぞれのお金に対する考え方、意識、それを通してお金というものを考えるという話になっている。
1話目の主人公は一家で一番若い女性。
彼女はどちらかと言うと普通の金銭感覚の持ち主。
2話の主人公は1話の主人公のおばあちゃん。
夫は亡くなっており貯金が一千万あるが、将来に不安があって仕事をしようと就職活動をする。
3話目の主人公は1話の主人公の姉。
お金に対してしっかりした考えを持っており、節約、貯蓄、投資をしている堅実な女性。
4話目の主人公は、おばあちゃんの知り合いの男性。
彼はあまりお金に対しても自分の将来についても深く考えてない。
5話目の主人公は姉妹の母親。
熟年離婚が頭をかすめるが、周囲の話やお金の事を考えると・・・。
6話はこれまでの人物が全て登場する話。
1話目の主人公が普通の金銭感覚の持ち主と書いたけど、その普通というのは読む人それぞれによって違うと思う。
ちゃんとお金や将来について考え備えている人は、3話の主人公である姉が普通の感覚だと思うだろう。
私は自分がちゃんとしてないので、これを読んで身がつまされたり縮こまるような思いになった。
結末がすごく良くて読後感が良かった。
節約、節約・・・だけでなく、共感と納得のできる考えだった。
- 感想投稿日 : 2021年3月17日
- 読了日 : 2021年3月17日
- 本棚登録日 : 2021年3月17日
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