トリックが斬新で「実に面白い」。人物関係、動機、伏線など、どこにも違和感が出ないように、極めて精緻に組み立てられている。さすが代表作と言われるだけはあるなと思った。
あえて欲を言うと、会話や人物描写の中に、さらにもう少し木目の細かいディテールが欲しかったという読後感が残った。これだけ深い男女の愛情を描き切っているがゆえに、靖子や石上、工藤らの心の動きに、読者としてさらにぴったりと寄り添いたい、というはがゆさを感じてしまった。実際、その欲求を満たしたくて、終章に向かう部分を三回も読み返してしまった。
ガリレオシリーズをもう少し読んでみようと思う。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年4月28日
- 読了日 : 2014年2月8日
- 本棚登録日 : 2017年4月28日
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