父・金正日と私 金正男独占告白

著者 :
  • 文藝春秋 (2012年1月19日発売)
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感想 : 95
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まさお氏は、メールの内容(や場合によってはインタビューの一言一句まで)が北朝鮮や中国(あるいはアメリカ)当局に筒抜けになっていることを前提として、自分は北朝鮮の政治とは関係ないというエクスキューズを上手いこと使って、言いたいことだけを言っており、なかなかにしたたかです。
それに、自分の女性遍歴などについては隠そうとしないなど、サービス精神もあるようです。

メールのやりとりは敢えて直訳調にしているようですが、朝鮮語学習者としては、かえって細かいニュアンスや生々しさが伝わってきました。
例えば、まさお氏が朝鮮半島や北朝鮮を指して言う、「韓半島」「北韓」という言い方。北朝鮮関係者としてはそのような呼称は有り得ないと思われ、読んでいて、これは大変なことだと思いました。
また、メールのやりとりをそのままコピペしたような作りですが、手練の新聞記者としたたかなまさお氏の駆け引きがストレートに現れていて、読んでいてスリリングで、本の構成としても上手くできていると思いました。

本書の出版にまさお氏がゴーサインを出したのかよく分からず、まさお氏の今後が心配なので、マイナス1。
まあ、中国が悪いようにはしないと思いますが。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エンタメ
感想投稿日 : 2012年4月21日
読了日 : 2012年4月21日
本棚登録日 : 2012年3月4日

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