イノセント・ゲリラの祝祭

著者 :
  • 宝島社 (2008年11月21日発売)
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本棚登録 : 3428
感想 : 448
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このミス大賞から始まったシリーズですが、今回は完全にミステリー要素は無しですね。
謎解きに変わる見所は、全36章の中の3章に渡る彦根医師の圧巻の演説。
法医学者の解剖至上主義を2%の解剖率と解剖の死因特定率の不明確性を根拠に否定し、法学界の解剖負担の医療への依存を批判し、と、いくつもの組織、個人を攻撃しまくる、正にゲリラの咆哮。
きっと、ここで書かれているのが作者の主張であり、これが書きたいがための本なんでしょうね。

個人的には、ワテはワテのやり方がある、と決意を固めた凡人代表の坂田局長の動向が気になります。
なんか、破滅の道へ踏み出している気もしますが…。

この本が書かれて4年。
医療庁はまだ創設されていませんが、2009年には一般財団法人Ai情報センターという施設も設立されたらしく、少しづつ状況は良くなっているのかも知れません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2012年12月8日
読了日 : 2012年9月17日
本棚登録日 : 2012年12月8日

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