夫婦善哉 (講談社文芸文庫)

著者 :
  • 講談社 (1999年5月10日発売)
3.58
  • (14)
  • (6)
  • (27)
  • (1)
  • (2)
本棚登録 : 114
感想 : 20
5

 「夫婦善哉」は、発表当時東京文壇から批判されている。皇国史観もなければ左翼思想もない、と。その言葉の裏には、この戦時下に「あかんたれ」の男が「しっかりもん」の女に浮気して、いちやいちやと食べ歩いているような小説はけしからん、との軍部の意向が反映していた。
 しかし、好いた同士は形式はどうあれ一緒にいたい、うまいもんも食いたいし、うまいもんに格式も何もないやないか、とズバリ本音を言ってのける織田作に、戦時下の大阪人は拍手を送った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本ー文学
感想投稿日 : 2012年4月24日
読了日 : 2012年4月24日
本棚登録日 : 2012年4月24日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする