「夫婦善哉」は、発表当時東京文壇から批判されている。皇国史観もなければ左翼思想もない、と。その言葉の裏には、この戦時下に「あかんたれ」の男が「しっかりもん」の女に浮気して、いちやいちやと食べ歩いているような小説はけしからん、との軍部の意向が反映していた。
しかし、好いた同士は形式はどうあれ一緒にいたい、うまいもんも食いたいし、うまいもんに格式も何もないやないか、とズバリ本音を言ってのける織田作に、戦時下の大阪人は拍手を送った。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本ー文学
- 感想投稿日 : 2012年4月24日
- 読了日 : 2012年4月24日
- 本棚登録日 : 2012年4月24日
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