同じ年齢9歳の同じ名前<イシバシユウ>と彼らを取りまく家族の話。学校ではごく普通の小学3年生だが、家に帰るとさまざまな親子関係があった。
母親がユウを死に至らしめるシーンから始まる。
母親に殺されてしまうのはどの<ユウ>なのか、
裕福な家庭に生まれ親の前では良い子を演じていながら、心には親をも見下す激しい感情をもつ優(ユウ)。
貧しいながらも母や周囲の人を思いやり、友人の理不尽な嫌がらせにもまけず、母とのささやかな喜びに無邪気に喜ぶ勇(ユウ)
自由奔放。弟と常に一緒に騒いだり悪戯を企んだり殴り合いの喧嘩をしたり、、、元気あふれる悠宇。
2人として同じ子供はいない。正解の子育てもない。さまざまな家族背景の中で、懸命に母は息子を愛し育てようとしている。子供に手をあげるなんて考えても見ないような母親たちだが、少しのきっかけでその幸せが崩れ始め、子供の頬をぶつこともある。感情を流れを止められず、虐待に至ってしまうのも紙一重。どこの家庭でも起こりうることなのだと思った。
読み始めは湊かなえ作品かと思うくらい、恐ろしい闇を感じたが、最後は椰月さんらしくほんの少しの救いが垣間見られた。
奈々さんがもっと何か絡んでくるのかと思った。そうしたら湊かなえ作品になってしまうか笑笑
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年3月17日
- 読了日 : 2022年3月17日
- 本棚登録日 : 2022年2月24日
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