私にふさわしいホテル

著者 :
  • 扶桑社 (2012年10月26日発売)
3.61
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本棚登録 : 1299
感想 : 245
5

この本は、さてさてさんのお薦め本です。私の本棚に嬉しそうに並んでいます。 ありがとうございました。

本名、中島加代子。三十才。作家。
ペンネーム、相田大樹。なかなか売れず
改名して、有森樹李になる。

加代子は自分のことを、史上最もついていない作家だと思っている。
歴史の浅い、中堅出版社主催での新人賞を獲ったが、それは二名同時受賞でもう一人は元アイドル、加代子は引き立て役だった。作家デビューはしたものの、出版社はいつになっても本を出してくれなかった。
・・・・女は恐い。加代子は10年後、引き立て役にさせられた、この復讐を果たす。

作家になりたい人、この指止~まれ。
そんなことを言ったら、指が何本あっても足りないだろう。
作家が本を出すには、出版社、編集
担当者、書店、そして読者が必要だ。
圧倒的なエネルギーと貪欲さ、物語を生み出す力。貪欲さはいつも持ち続けて
いるべきではないかと思う。
その時の自分の状態に、甘んじていると
向上は目指せない。作家でなくとも、誰でもが同じではないかと、思う。

この本は、本当に面白い。
電車の中で読んでいて、もし面白さに
ニヤついてしまったら、恥ずかしいこと
このうえない。それというのも加代子の性格が何とも言えないからだ。あんなに凄い土壇場で、いい案を思いつき演じきり、窮地を切り抜ける。
この本には、ベストセラー作家の60代
(オヤジ野郎、個人的な感想)の存在が
欠かせない。二人は、何度にも及ぶ
バトルを巻き起こす。この本の見どころ
いや、読みどころだ。

二人は、歳は親子のようだがきっと
いいライバルであり、お互いを高め
合えるいい関係でいるのではないかと
思う。

2021,6,6 読了

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年6月6日
読了日 : 2021年6月6日
本棚登録日 : 2021年5月29日

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コメント 8件

さてさてさんのコメント
2021/06/06

ゆうママさん、こんにちは!
ついに読み終わられたんですね。そう、中島加代子の物語ですね、この作品。作家さんが本を出す裏側、ちょっとドロドロした世界を痛快に描くこの作品、面白いですよね。
なんというか、柚木さんの吹っ切れぶりも凄いです。こんな作品書いて編集者さんとの関係大丈夫なのかなあと心配にもなります。
ゆうママさんのレビューで、自身が読んだ時のこと、あれやこれやと思い出させていただきました。ありがとうございました!

ポプラ並木さんのコメント
2021/06/10

さてさてさんのお薦めなのですね!<いい案を思いつき演じきり、窮地を切り抜ける>アッコちゃんシリーズが面白いので、さらに楽しそう!柚木さんは人物描写が素晴らしいと思います!

ありが亭めんべいさんのコメント
2021/06/11

フォローバックありがとうございます♪もっぱら図書館借りだし読書ですので世間よりかなり遅れて読むことになっています(笑)
その分 皆さんの評価がメジャーになるのですけれど。本も味と同じく人それぞれですので自分の舌や感性がモノサシですけど色んな評価はとても参考になります。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

ポプラ並木さんのコメント
2021/06/25

ゆうママさん、面白かったですよ~加代子の強さ、この強さが作家として生きていく執念なのでしょうね。東十条との対峙は終始大爆笑でしたよね。柚木さんのユニークな一面を楽しめました!!お薦めありがとう!!

マメムさんのコメント
2023/01/03

初コメです。
アールグレイさん、オススメありがとうございます。やっと読み終えましたよ。楽しかったです。

今でこそ、もしこの本に別のタイトルを付けるならば、『同志少女よ、敵を撃て』が当てはまり良さそうだなと思いました。

アールグレイさんのコメント
2023/01/03

マメムさん(^_^)/
あけましておめでとう
ございます
初コメント、嬉しく思います!
「同士少女・・・」と「私にふさわしい・・・」に共通点はあるのでしょうか?本を選ぶ時、題名、表紙などで選んでしまいます。
先日珍しく、方舟、読みました。ん~たまにはあのような本も読むといいのかな?と思いました。次はどんな本を読もう?と考えています。
(*^。^*)

マメムさんのコメント
2023/01/03

アールグレイさん、お返事ありがとうございます&今年もよろしくお願いします。

「同志少女……」は単に文壇を戦場と見立てて、そこに負けじと立ち向かう中島加代子を比喩しただけなので、作品の共通点とかはないですよ。方舟も読まれたのですね、あれは最後にゾワッとしました。

今日、本屋で気になったのは綾崎隼さんの『死にたがりの君に贈る物語』ですね。積読多いので順番回ってくるのは、いつになることやら(笑)

銀拓さんのコメント
2023/05/13

アールグレイさん、お勧めありがとうございました。早速図書館で借りて読みました!とても面白かったです。ホテルの話かと思いきや、作家さんのお話でまさかの復讐劇!1日で読んでしまいました。登場人物がどれもキャラが濃くてドタバタ楽しくてページをめくる手が止まりませんでした!

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