この本は、さてさてさんのお薦め本です。私の本棚に嬉しそうに並んでいます。 ありがとうございました。
本名、中島加代子。三十才。作家。
ペンネーム、相田大樹。なかなか売れず
改名して、有森樹李になる。
加代子は自分のことを、史上最もついていない作家だと思っている。
歴史の浅い、中堅出版社主催での新人賞を獲ったが、それは二名同時受賞でもう一人は元アイドル、加代子は引き立て役だった。作家デビューはしたものの、出版社はいつになっても本を出してくれなかった。
・・・・女は恐い。加代子は10年後、引き立て役にさせられた、この復讐を果たす。
作家になりたい人、この指止~まれ。
そんなことを言ったら、指が何本あっても足りないだろう。
作家が本を出すには、出版社、編集
担当者、書店、そして読者が必要だ。
圧倒的なエネルギーと貪欲さ、物語を生み出す力。貪欲さはいつも持ち続けて
いるべきではないかと思う。
その時の自分の状態に、甘んじていると
向上は目指せない。作家でなくとも、誰でもが同じではないかと、思う。
この本は、本当に面白い。
電車の中で読んでいて、もし面白さに
ニヤついてしまったら、恥ずかしいこと
このうえない。それというのも加代子の性格が何とも言えないからだ。あんなに凄い土壇場で、いい案を思いつき演じきり、窮地を切り抜ける。
この本には、ベストセラー作家の60代
(オヤジ野郎、個人的な感想)の存在が
欠かせない。二人は、何度にも及ぶ
バトルを巻き起こす。この本の見どころ
いや、読みどころだ。
二人は、歳は親子のようだがきっと
いいライバルであり、お互いを高め
合えるいい関係でいるのではないかと
思う。
2021,6,6 読了
- 感想投稿日 : 2021年6月6日
- 読了日 : 2021年6月6日
- 本棚登録日 : 2021年5月29日
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