盤上の向日葵

著者 :
  • 中央公論新社 (2017年8月18日発売)
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感想 : 601
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畜生!!!!!!!くっっっっっっそ面白かった!!!!!!!!
 これほどページをめくるのがもどかしく、そして残りページ数が少なくなっていくスピードが速かったのはここ数年なかった。まさに文学エンターテイメントの神髄!!!!
山中から身元不明の死体が発見され、その死体は数百万円はする将棋の駒が一緒に埋葬されていた。
この事件を埼玉県警捜査一課のベテラン刑事と元奨励会出身の駆け出し刑事のコンビが追う。刑事二人組が事件の真相を追っていくという王道のミステリー。
ただのミステリーではなく、文学としてもじっくり読ませる。奨励会を経ずして異色のプロ棋士となった鬼才の棋士の人生と随一の腕を持つ真剣師(金を賭けて将棋を指す棋士)との人生が複雑に絡み合っていく。
将棋の知識が無くとも十二分に楽しめるが、将棋を知っている人が読めばさらにおもしろさは倍増する(自分も将棋は指さないが『3月のライオン』を全巻揃えているくらいの将棋の知識はある←)。
ストーリーテリングの妙とプロットの巧みさ、そしてこの二人の刑事コンビの良さ。柚月裕子の小説は初めて読んだが、大好物となりました。
ぜひ、この刑事のコンビはシリーズ化してほしいが、将棋の世界を舞台にした話だからこの二人のコンビが生きるんだよな~。でもシリーズ化できるほど将棋界で事件があったら困るよね(笑)。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(エンターテイメント)
感想投稿日 : 2019年3月6日
読了日 : 2019年3月6日
本棚登録日 : 2019年3月4日

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