約1年をかけて、ついに僕が自分に課した一大読書プロジェクトであるドストエフスキー・チャレンジが終了した。
ドストエフスキー・チャレンジとは、ドストエフスキーの5大長編『罪と罰』『白痴』『悪霊』『未成年』『カラマーゾフの兄弟』を読破するというものである。
このドストエフスキー・チャレンジの最中にドストエフスキーの名作の2作品『賭博者』『死の家の記録』、そして、レフ・トルストイの傑作『アンナ・カレーニナ』も合わせて読了した。これでロシア文学の古典については、それなりに
『読んだことがある』
ということくらいは言えるのだろう。
このドストエフスキー・チャレンジを始めたのは、トルストイの『戦争と平和』を2019年7月に読了したことがきっかけだ。
この『戦争と平和』が思いのほか面白かったし、歳を重ねたからだろうか、結構、登場人物たちの心情がよく理解できたのだ。
この歳になって、やっとロシア文学の古典名作の深い人生観に基づいた文章の面白さに気づかされ、改めてロシア古典文学を再度読んでみようと思い立った。
高校生の頃に読破した『罪と罰』を2019年8月に再読し、はっきり言って「感動」してしまった。
もう、こうなると止まらない。
『白痴』も、5大長編の中の唯一の恋愛小説として非常に楽しめた。ただ、『悪霊』『未成年』は結構難解で、これらは再読しなければならないと思う。
そして本書『カラマーゾフの兄弟』は、ドストエフスキーの最高傑作と言われるゆえんだろうが、まさに3巻からの面白さは度肝を抜かれた。
そして5巻のたった60ページのエピローグを読み終えてからの訳者・亀山郁夫先生による怒涛の「ドストエフスキーの生涯」と「解題」は、それだけでドストエフスキー好きの読者にはたまらない読み物となっている。
本書を読み終わって、本書が初めて未完の小説であるということを知った。
未完の小説だからこそ、この先を予測する楽しみというものもある。
やはり150年以上も世界中で読み続けられている本というものには、人類の英知が詰まっているのだろう。僕にとってのドストエフスキー・チャレンジは終了した。
しかし、これはまだあくまでも『第一回目』が終了したに過ぎない。チャレンジには『第二』『第三』もある。
そして、まだ、この世界には読むべき本が山のように待ち構えている。
僕にとって、まだチャレンジは始まったばかりなのだ。
- 感想投稿日 : 2020年7月18日
- 読了日 : 2020年7月12日
- 本棚登録日 : 2020年7月18日
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