生のみ生のままで 下

著者 :
  • 集英社 (2019年6月26日発売)
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本棚登録 : 1103
感想 : 113
3

普通ガール・ミーツ・芸能人ガール、と書くと
とても甘やかな物語に思えるが、本作品は
鞘入りナイフガール・ミーツ・剝き出しナイフガール
(…並ぶと二匹のドーベルマンのよう、と作中で
表現されています。)

2組のカップルが偶然、空いているホテルで出会い、
女性同士が惹かれていく、という元々は異性を愛する
女性の同性愛の物語。

綿矢さん初読ということで、おずおずと読み始めました。
さすがに「さびしさは鳴る」(蹴りたい背中)と
綴った著者だけあって文章には唸らされる。

でも…引き込まれない、弾かれる、私(読み手)に
委ねられていないと感じる。

性交描写も会話もすべて赤裸々、全部全部見せないと、
言ってしまわないといけないのか?というぐらい
さらけ出して「秘」と「余白」がない。

この登場人物が言ってしまわないと気が済まない
タイプだからなのか、綿矢さんの作風なのか…。

この作品は綿矢さんとしては珍しい内容だそうなので
もう1作読んでみようかな?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年3月28日
読了日 : 2021年3月28日
本棚登録日 : 2021年3月28日

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