会社帰りに本屋で買い、帰宅して一気読み。読み始めたら止まらなかった。「貧困女子」「最貧困女子」「プア充女子」などの分類から、貧困や虐待に喘ぎセックスワークへと組み込まれていく女性の姿を描く。変な考察がなく、取材したありのままの最底辺の女性の生活を知って欲しい、読者に一緒に考えて欲しいという姿勢に好感をもった。
「最貧困女子」の姿は、正直なところ想像できない。母親や義父に虐待を受けて、まともな教育を受けていなくて、接客や一般的な生活上の手続きができなくて、生活保護などの社会的制度も知らない。地方から東京へ出てきて、住むところも寝るところもお金も食べるものなくて。そんな状態で、生活の基本たる衣食住を与えてくれるセックスワーカーはどんなにありがたく感じることか。
若気の至りの10代で終わりではなく、20代30代になってもその日暮らしで先の見えない生活を繰り返す。それはどんな気分なのだろう。心が麻痺しているのだろうか。
一番衝撃を受けたのは、以下の部分。
p117
どれほど悲惨な生い立ちを抱えていようと、「デブで不細工で性格のゆがんだ少女」は、初めから彼らの救済対象にはならない。
女は女であること、生まれ持った顔からは一生逃げられないのだ。
どうすればいいのだろう。私に何かできるのだろうか。今この時間都内で、まさに取材されたような少女がいて仕事をしていることが想像できない。日本って、そんな国だったっけ?闇を見ている気分だ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
エッセイ・評論・ノンフィクション・新書など
- 感想投稿日 : 2014年11月30日
- 読了日 : 2014年11月30日
- 本棚登録日 : 2014年11月30日
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