銀河鉄道の夜の挿絵をみて、東逸子というひとに出会う。明確な意思をもって線を刻み込むというよりは、画面から浮かび上がってくるような、それを丁寧にこねていくそんな絵。
降り注ぐような鉱物的光の加減、中性的でどことなくアンニュイな表情、曲線によって広げられる温もり、どれひとつ欠けても、この夢のようなひととき、どこまでも飛んで行けそうな翼のはためきを表現することはできない。夢から覚めても、どこかでまた夢と出会えそうな、夢がどこかで現実とつながっているような、そんなやさしい気持ちに抱きしめられる。
たくさんのことばは夢の時間に要らない。ただ在るだけでいい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
芸術
- 感想投稿日 : 2015年10月18日
- 読了日 : 2015年10月18日
- 本棚登録日 : 2015年10月18日
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