赤い長靴 (文春文庫 え 10-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (2008年3月7日発売)
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本棚登録 : 3536
感想 : 304
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想像以上によかったのは、私がちょうどそういう気持ちを感じてて、それを解き明かしてくれていたから。

恋人に縛られる感じ。
「急かされるような気持ちがした。でも何に、誰に急かされたというのだろう。」
彼が待ってるから、早く帰らなきゃ。
早く帰ってきてよって言われたわけじゃないけど、帰らなきゃ、私を待ってるんだから、って。
そういう風に縛られて、縛って、きつくて、辛くなって。

私ばっかり悩んで、彼はなんにも考えてなかったりして。
いないときの方が一緒にいるときよりも愛おしいと感じてしまうところとか。
それでもう別れた方がいいって何度も思うこととか。
そんなときにたまに愛情を感じて泣きそうになることとか。
そういうのが書かれている。みずみずしく。

そして物語を通じてのこの緊張感。すごいなーと思う。

最後がハッピーエンドだったから、こういう関係も悪くなかったのかもと思ってしまったけど、
よくよく自分のパターンを思い出せば、いかにそれが辛かったか分かるよ。
別れた彼と結婚していたら、私も同じような感じになっていたと思ってぞっとした。
女の人のことを対等な人間かもしくは対等以上に扱ってくれる人じゃないと、プライドの高い彼女は、一人の人間として一緒に楽しみたいと思ってる彼女は、辛くなっちゃうし病んじゃうよ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年12月7日
読了日 : 2013年12月7日
本棚登録日 : 2013年12月7日

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