人は、衣食住を忘れてしまうくらいに熱中してしまう事があり、且つそれを極めるに十分な才能が自分の中に眠っていると気付いた時、追い求める足を緩める事が出来るんだろうか。
明治の世、煙草葉農家の三男坊に生まれたトザは、兄弟の中でも抜きん出た要領の良さを自覚しつつも、家業である農作業に勤しむ。
ふとしたきっかけで町へ出稼ぎに出る事になり、最初は純朴だった彼も、最先端の技術がもたらす新しい世界に囲まれる内に、まるで熱病のような彼自身の中にある科学への情熱に、少しずつ身を焦がされてゆく。
最初は素直で微笑ましいトザを応援していた読者が、少しずつ得体の知れない違和感を感じはじめたところで、下巻へ。
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- 感想投稿日 : 2019年11月8日
- 読了日 : 2019年10月29日
- 本棚登録日 : 2019年11月8日
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