日はまた昇る (新潮文庫)

  • 新潮社 (2003年6月28日発売)
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本棚登録 : 1818
感想 : 129
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パリの部分は正直長すぎて退屈だと思ったけれど、
スペイン旅行の部分になるとそこが活きてきて、俄然面白くなる。
主人公のジェイクが戦争の負傷で、男性として機能しなくなったというわりには暗さ重さがないのが不思議だった。

でも、解説を読んで納得。
この物語はヘミングウェイ夫妻と男女の仲間たちでスペインにいったときのことを基にしていて、
妖艶な女友達をめぐる緊張関係があったそう。
もちろんヘミングウェイも気持ちがザワつくけれど妻帯者。
そこで、小説化するときは自分である主人公を去勢して、
身の潔白を遠まわしに匂わせている…。

ヘミングウェイ、せこいよ…でもそこが面白い!
マッチョで行動的なパパ・ヘミングウェイの意外な一面を知ることができた小説。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外小説
感想投稿日 : 2017年1月19日
読了日 : 2017年1月19日
本棚登録日 : 2017年1月19日

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