心が雨漏りする日には (青春文庫)

著者 :
  • 青春出版社 (2005年6月9日発売)
3.56
  • (46)
  • (59)
  • (129)
  • (8)
  • (3)
本棚登録 : 689
感想 : 73
5

大好きな中島らものエッセイです。
久しぶりに読み返しました。私が「双極性障害」と診断されてから初めて読み返しました。最初に読んだ時も面白かったのですが、自分がまさかの「双極性障害」の診断を受けるとより一層面白かったです。

文章を書くスタイル、鬱がやってきたときの状態、またそうじょうたになった時の行動、アルコール依存症についても書かれている本です。

語り口は軽くとても読みやすいです。そして、作者が体験した双極性障害(以前は躁うつ病と呼ばれた)の症状について書かれてあります。
これを読むと、中島らもはⅠ型なのかなぁ。と想像してしまいます。
悪魔が死ねと言うと「死のう」と思ったり天使が「生きろ」というたび「生き抜こう」と考え直すのを40時間も考え続けたら本当に頭がどうにかなってしまうのではないかと思います。希死念慮が起きてから頓服が効くまでの数十分耐えるのにもあんなに辛いのに。

そして、躁状態で劇団員に説教するあたりがもう、躁状態丸出しでした。そうなんですよね。語りたくなるんですよね。自分の考えを。じぶんも”手に負えない”人になっているのではないかとドキドキものですが。

「ゲーテもうつ病だった」って、本当に苦しんでいる状況だったら、どうでもいい情報ですよね。笑ってしまいました。
あと、ワンタンメン食べている最中に昏倒して、丼ぶりに顔を突っ込み、「鼻の穴からそば出てましたで。」と店の親父に言われる所も。鼻の穴からそばだして、昏倒している状況を考えると、笑えるけれども笑えないです。

双極性障害は一生付き合って行かなくてはならないとされています。本当に「お茶漬けができる位」薬を飲んでいることもあります。「こころだって、からだです」正しくその通りだと思います。上手に心を飼いならしていきたいものです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2017年8月22日
読了日 : 2017年8月22日
本棚登録日 : 2017年8月22日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする