私は芸能人の書いた小説を評価してこなかった。出版業者が話題作りに、3割がた下駄を履かせて賞を与えていると感じたからだ。実際、過去の作品ではそういった作品は多く存在したと思う。故に又吉直樹の「火花」も忌避していた。しかし、読んでみて驚いた。巧みな表現を捻り出そうして、何を書いているのかわからない文章や無理な比喩表現を使うことなく、世間とのズレに困惑しながら憧れの神谷先輩をちゃんと描き切っていた。ただ、神谷先輩以外との絡みが弱く、感動までには導いていなかったが… 。
やはり、食わず嫌いはダメだと猛省した一冊でした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年10月22日
- 読了日 : 2023年10月22日
- 本棚登録日 : 2023年10月22日
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