物語のおわり (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2018年1月4日発売)
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本棚登録 : 5627
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こうしたい、ああなりたいと夢を持っている時に家族や身体や金銭のことで悩む。あるいは夢に向かって進もうとしている人に嫉妬して、それを阻もうとする。自分の方が人生経験があるからといって、子供の未来に賛同できず、反対する。
どうすれば正解だったのか?
そんな経験に思い巡らせながら読んだ。

田舎でパン屋を営む両親のもとに生まれた絵美は朝の通勤通学前にパンを買いに来る繁忙時間にお店の手伝いをしていた。そのお客の中に隣町の高校に通う青年がいた。毎日決まって買うパンはハム入り。絵美は心の中でハムさんと呼ぶ。ある日お釣りを間違えたことから、ハムさんと会話をかわす。夢は小説家という絵美にハムさんは本を貸してくれることで急接近。
北海道大学へ進学したハムさんだったが、卒業後は地元に戻り、自身は教職員となり、絵美との結婚を約束する。だが、小説家になりたい絵美は誰にも内緒で東京へ行こうとする。が、バス停にハムさんが待ち構えていたー

物語はここで終わる。この後、2人はどあなった?どうなってほしい?

読むべき機会を与えられた旅人たちが、それぞれに出した答え。私も旅人となって、原稿を受け取った気分になり、考えさせられました。
イヤミスではありません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2018年1月22日
読了日 : 2018年1月21日
本棚登録日 : 2018年1月21日

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