奇妙な地下の館である迷路館。文字通り内部の構造が迷路になっているこの館に住まうのは、ミステリ作家の大御所。エイプリールフールに集められた「後を継ぐであろう」4人の作家たち。彼らは莫大な賞金を掛けて、この館を舞台とした推理小説の競作を始める。審査員は評論家、編集者、そしてミステリ愛好家である島田潔。しかし翌日、作家の1人が無惨な死を遂げ、1人また1人と殺されていく。連続殺人犯は、そして「作者」は誰なのか。
館シリーズ第3弾。再読。
本作では所謂「作中作」が採用されている。とある推理作家・鹿谷門実が実際に遭遇した事件をモチーフに「迷路館の殺人」を執筆。それを島田と一緒に読者が読んでいくお話し。
初読の時にどんでん返しにやられてしまい、「いやぁそっちかぁ」とリアルに声が出てしまったのは良い思い出だったなぁ。最初から罠にハマってる感じ。絶対次こそは!って意気込むんだけど何度でも騙されるし、騙されることが気持ち良い。
初読の時は謎解き!って感じでそんなこと考える余裕はなかったけど、遊び心満載。関係者では無い人には普通の推理小説に、関係者には再現小説、そして犯人には…。多分一度読んだことで、読者自身もこの事件の「関係者」になり、犯人も知っている状態だから、終始告発文になっている。各所でニヤニヤしながら読める。
文句を二つくらい付けるなら。
そこまで漏れないよ?〇〇シートとか内臓自傷期間じゃなくても付けるし、まぁ人によりけり?
あと医者は本当にカローラには乗らないの?カローラが好きなお医者様とかない?ないですか…。お医者様ってどんな車乗るんだ?
- 感想投稿日 : 2023年12月7日
- 読了日 : 2023年12月7日
- 本棚登録日 : 2023年12月7日
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