ブックホテルに泊まった時に、こちらの本を途中まで読み、続きが気になったので購入。
マリリン・モンローと言えば、スキャンダラスな女優ってイメージばかりが先行していました。
存在すべてが生まれ持ったものだと思っていましたが、全く違っていて。
あのセクシーな体形も努力の賜物だったのですね。
骨格から何から学んで、どこを鍛えるとどういう風に筋肉がついて、どう見えるのか、計算しつくしてあの魅力的なボディを作っていたようです。
見えないところでの努力は相当なモノだったと思われます。
読んでて「覚悟」が違う!と、思いました。
この本を読んで彼女を少し知ることができましたが、イメージとは真逆の性格なんですよね。
数々の男性遍歴は単なる彼女のだらしなさなんじゃないか、ハリウッド的価値観だよね、くらいにしか思っていなかったのですが、実はそうではないって事が分かって、彼女に対してイメージがずいぶん変わりました。
自分の武器を磨きに磨いて、最大限に使って、戦略的に動いてのし上がっていってるんです。
しなやかに、したたかに、生き抜いている。
現代に生きる私たちが彼女から学ぶことがあるとすれば、戦略的な自己プロデュース力、これに尽きると思います。
(彼女のやってることを真似るわけではない)
この本を読んでると、マリリン・モンローからは並々ならぬ「覚悟」が伝わってくるんですよね。
それは何なのか、自分なりに考えてみたのですが、「私には何にもない。だから女優になるためには何でもやってやる」って精神なんじゃないかな、って思いました。
捨てるものがない人間って、やっぱり一番強いよ。
かなりアグレッシブな性格なのかと思いきや、かなり繊細な心の持ち主でもあったようです。
(撮影に遅刻する理由は、ちゃんと演技できるか怖くてカメラの前に立てない、というもの。また、過剰に人の評価を気にするタイプだったようです)
アグレッシブとセンシティブ。
真逆の性質を両方持っていたからこそ、あの私たちの知っているマリリン・モンローが出来上がったのかもしれません。
”人はいつだって何かを失っているのよ。
それでも私たちは生き続けなければならない、そうでしょ?”(抜粋)
この言葉、彼女も一人の人間なんだな、って思いました。何かを失っても全力で吹っ切って、全力で前に突き進む強い女のイメージでしたが、実はそうではなかったのですね。
今となっては彼女の存在自体がミステリアスなんですよね。亡くなった今でも伝説の女優として語り継がれる理由はここにあるのかもしれません。
もし、彼女がオードリー・ヘプバーンのように長生きしていたら……。
歴史は変わっていたでしょうね。
- 感想投稿日 : 2023年12月28日
- 読了日 : 2023年12月28日
- 本棚登録日 : 2023年12月27日
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