年を取ったら、涙もろくなった。
この本も、「正義」とは、、
本当の武士の姿を悲しくもあり、このような立場に立たされた者だけの潔さが、垣間見たような気がした。
母方の親戚に、宇垣纏中将が居て、母親はとても可愛がられたそうであるが、やはり、戦いの末、海軍で命を落とした若い兵士を看取るために、空へ旅立ち、海の藻屑になってしまったと聞く。
この本は、200年もの続く江戸幕府から明治へとの変わる混沌とした時代が、背景になっている。
武士が、どのように変わらないといけなかったのか?
又、訳アリの重罪人も、どうして罪を犯したわけでもないのに、そのような咎を受けないといけなかったのか?
赤猫、、、それは放火犯の事で、ここでは、伝馬町牢屋敷における火事の解き放ちを表している。
解き放ちに付き、重罪人と言われつつも、罪を犯したわけでもない3人
無宿者の繁松、羽田者とせがれ、岩佐七之丞、夜鷹の元締めお仙、が、解き放たれるのだが、3人の家一人でも戻らないと、死罪。3人戻れば、無罪。
そして、丸山小兵衛が、責任を取ると、、、腹を切ると述べる。
そして、その後無罪放免になった3人が、成功して、現在を生きて過ごしている事が、ホットしながら読み進んだ。
皆「生きていてよかった」と、感じる幸せを描いていたのだが、、、、
和尚、杉浦正名の証言により、、、最初の「記」で、「後世司法ノ参考ト為ス」迄にてと、、、
「鬼になりたくなかった、不浄であろうと、義の道をたがえぬ武士でありたかった」
江戸と明治へとの流れ狂う濁流を何が何でも、生きていてほしいと思うのは、今の時代の人間なのだろうか?と、自問している私が居た。
- 感想投稿日 : 2017年11月9日
- 読了日 : 2017年11月9日
- 本棚登録日 : 2017年11月9日
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