極楽日和―立場茶屋おりき (ハルキ文庫 い 6-23 時代小説文庫)

著者 :
  • 角川春樹事務所 (2013年7月13日発売)
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感想 : 8

江戸の下町、皆が、一生懸命に、毎日を過ごして行く日々。
何気ない日常なのだが、悲哀あり、小さな出来事にも喜びを感じさせる。
死を目前として、娘の手を握りしめ、あの世へと旅立つ事を望んだ事に、死に顔は、穏やかであっただろう。と、感じながら読んでいた。

子沢山の所へ、嫁ぐのに、子供達は、おっかさんと、呼んでくれるだろうか?と、一抹の不安がありながらも、慕われていた事に、小さな喜びを感じる事の幸せ。

今朝の新聞で、子供の虐待が、掲載されていた。
「ゆるしてください」と、5歳の子が。書いたノートに、父親は、躾と、、、
朝の4時から起こされて、殴る蹴る、、、、食事も殆ど与えられず、寒い季節に水を浴びせられて、、、母親もきょうだいも、学校の先生も、誰一人味方になってくれなかった事に、、、只々、、、涙する。

その他も、大やけどしてもラップで、巻かれただけで、病院にも行かせてもらえなかった幼子。
裸で、外に出されたり、殴られたりして、風呂場で、溺れた幼児、、、

この小説を読んでいると、現代の社会の方が、親の愛情が無く、無常に思える。

他所の子どもも、周りの者たちが、温かい目で見て、何かある時は、手を差し伸べていた時代小説の方が、ホンワカした気持ちにさせてくれるのだが、、、

現代は他人へ干渉は、してはいけないのか?と、思える事件が、多すぎると、思いながら、この本 おりきシリーズ 15弾を読み終えた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年9月5日
読了日 : 2019年9月5日
本棚登録日 : 2019年9月5日

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