血の味 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2003年2月28日発売)
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本棚登録 : 407
感想 : 52
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この本は沢木作品をむさぼるように読んでいた昨年に読もうと思っていたが、殺人を犯す少年が主人公ということで、あえて読むのを避けていた。沢木耕太郎の数少ない小説の一つ。短編集の『あなたのいる場所』を除く長編としては、ボクシングをテーマにした『春に散る』、バカラをテーマにした『波の音が消えるまで』、そして処女作であるこの作品となる。深い作品だった。ある種、沢木耕太郎が内面に持ち続けていたものを小説という形で吐露しているのだと思う。解説者も書いていたが、ある意味私小説なのだろう。なかなか類をみない作品だと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年12月19日
読了日 : 2021年12月11日
本棚登録日 : 2021年12月11日

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