時は明治。文明開化はしたものの欧化したのはまだ一部。自然は多く残り夜の闇は深い。現世と異界は黄昏時になると溶け合い混ざり合って此方の人間が彼方に引き込まれ、彼方のモノが此方に這い出てくる。句読点はあるのにつらつらと続いてるかのような文体は読んでるうちに自分まで彼方へと拐かされるかのよう。妖しくも美しい女性が出て来る「竜潭譚」「国貞えがく」が良かった。言葉自体も美しい。日本語の美しさを再発見した。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本文学
- 感想投稿日 : 2012年1月15日
- 読了日 : 2012年1月15日
- 本棚登録日 : 2010年12月26日
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