新しいヘーゲル (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (1997年5月20日発売)
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本棚登録 : 485
感想 : 45
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近代が持つ様々な政治的、文化的、社会的イメージと、ヘーゲルの生み出した思想とがいかに重なっているかが分かる。
現代においても学校や職場など建前上は近代主義の思想に満ち溢れている。近代的理性を持つ自由な意思の集合体が、素晴らしい社会や国家を形成するという。
この建前が存在しなくなると、選挙制度すら足元を揺さぶられそうだ。
いくらニーチェやキルケゴールやハイデガーたちが後世に現れて批判を繰り返そうとも、近代という思想はそれほど堅牢な思想だということだ。
現在の社会制度を見る限り、根本的に取って代わる思想は存在しない。


普段の身の回りの生活の影にヘーゲルがちらついて見えるようになった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2013年3月12日
読了日 : 2013年3月11日
本棚登録日 : 2013年3月11日

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