定年後 - 50歳からの生き方、終わり方 (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社 (2017年4月19日発売)
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著者自身、知人インタビューを通じて、様々な定年後の時間の過ごし方がリアルに伝わる内容で、とても参考になった。
- 第1章では、日本のいわゆる大企業における定年事情、定年制の必要性が理解できた。また、隠居と定年の違いの説明は納得感があった。
- 第2章、第3章では、図書館、スポーツジム、さまざまな定年後がリアルにイメージできた。自分もその50代を目前にして、遠くない将来のことと思え、リタイア後の人々、特に男性の行動が理解できる。
- 第4章「黄金の15年」を輝かせるために、と題している。いわゆる平均的な健康寿命である60歳から75歳までを黄金期ととらえている。多くの人が子供も自立した時期で、健康であれば、自分の好きなように行動できる時期ということだ。もしかしたら自分の寿命は60歳かもしれないが、その後の黄金期に向けても今から計画、行動しておくことも必要と感じた。
- 第5章、第6章の社会とどう繋がるか、居場所をつくるか、ということはとても大事だ。今からさまざまな人生を経験する意味でもワークライフバランスを修正し、興味のあることにチャレンジしたいと思った。
- 第7章 死から逆算してみる、の部分は最も心を打たれたパートだ。当たり前であるが全ての人間には必ず死が訪れる。そのことを考えるだけでも、自分の心がとてもつらくなり耐えられなくなる、家族と会えなくなることを考えるだけでも心がつぶされそうになる。多くの偉人、著名な人々のような、社会に大きな貢献、功績をあげられなかった、また会社生活でも一部の成功者とは程遠い自分であっても、せめて自分の最期を幸せに迎えられるよう、人生を全うしたいと感じた。そうしないととてもではないが、心がつぶされそうになると思った。自分の死生観を改めて考えさせられる内容であった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス書
感想投稿日 : 2023年1月15日
読了日 : 2023年1月15日
本棚登録日 : 2022年12月29日

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