ここ数年スプラッタホラーを見過ぎたせいで、どんな映画も「お決まりのパターンをどう崩してくるか」という点でしか楽しめなくなってきている。
本作については、冒頭、下半身パンツだけの女が出てきた時点で「これは信頼できる作品だ」と予感した。こういった、頭にド定番の演出をあえて持ってくるからには、今後、相当なパターンからの逸脱が期待できる。
しかし、まだ過剰な期待は禁物である。単純にパターン通りの演出しかできないだけの作品も大量に観てきた。本作でも若者グループがたどり着いた山小屋や、バケモノが出現する原因なんて、完全に『死霊のはらわた』じゃないか。
あれ?このまま『死霊のはらわた』オマージュで終わるのか??と思わせておいてからの展開は、正直びっくりした。鑑賞している間、物語をメタ方向へスライドさせるというアイデアに感心してしまった。
ただ、見終わってから思ったのは、「結局この作品も『死霊のはらわた』との部分的な差異を楽しむ作品であって、根本からスプラッタホラーの新しいパターンが確立できたわけじゃないよなあ。」という寂しい気持ちだった。
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- 感想投稿日 : 2013年9月9日
- 読了日 : 2013年9月9日
- 本棚登録日 : 2013年9月9日
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