「死の泉」では読後、というよりは最後の一文でぷんと濃いウイスキーのような悪の匂いが立ち上った。
本作では中井英夫直系の人間=薔薇というオブセッションを受け継ぎながら、なおかつナチスを題材に取りながら、最後にはさわやかな柑橘の香りが。
これはあくまでも良きにつけ悪しきにつけではあるが。
視点の多様性、語ること書くことへの思索、幻想の混入、など真骨頂。
いい気分で酔わせてもらった。
読書状況:読み終わった
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別格3(春樹 龍 皆川博子 赤江瀑 らも 津原)
- 感想投稿日 : 2013年3月22日
- 読了日 : 2013年3月21日
- 本棚登録日 : 2013年2月15日
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