さかしま (河出文庫 ユ 2-1)

  • 河出書房新社 (2010年8月3日発売)
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【あらすじ】世の中いやになったのでひきこもっていろいろ連想を働かせていたら躰を壊しちゃいました。ああ、いやだなあ。

【笑えたところ】インテリアへの異様なこだわり。ひきこもりだから。
文学への衒学趣味は完璧。あ、でも忘れてた、音楽にもまずまずこだわりあるんだよーとエクスキューズ。その必死さ。

いわば趣味ブログ。私ってこんな高尚な趣味なんですよーとアピっている。

しょうもないが嫌いになれないパーソナリティ。
それは亀の甲羅へ宝石を象嵌させたり、酒の組み合わせを口中オルガンと見做したりするような、一種の諧謔による。
神経の病と腐肉への偏愛も。

想像力による現実の塗り替え。の、勝利と敗北。

貴族/ブルジョア/カトリック(の堕落)

「あれはみんな梅毒なんだな」
うん。この一言に尽きる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文学 海外 フランス
感想投稿日 : 2013年1月31日
読了日 : 2013年1月31日
本棚登録日 : 2012年10月31日

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