「イエスの幼子時代」の続編.ちなみに第三作「イエスの死」も刊行済みらしい(未訳).
相変わらず不思議なトーンで淡々と話は進むのだが,今回は殺人事件も起こる.犯人ドミトリーは,名前からしてカラマーゾフ風なのだが,人物もやっぱりカラマーゾフ風で,非常に濃い.彼の思考回路は独特なのだが,よくよく考えてみれば登場人物のダービド,イネスを始め,全員が思考に特徴があり癖が強い.決してお互いを理解することはない.一見,唯一まともに見えたシモンさえも,なんだかおかしい.
そんなすれ違いが続くなか,シモンの空回りが徐々に目立ってきて,物語は唐突に終わる.
この先,一体この疑似家族はどうなってゆくのだろうか?
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- 感想投稿日 : 2022年8月9日
- 読了日 : 2022年8月9日
- 本棚登録日 : 2022年8月9日
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