沈黙の王 (文春文庫 み 19-5)

著者 :
  • 文藝春秋 (1995年12月8日発売)
3.69
  • (54)
  • (57)
  • (114)
  • (2)
  • (2)
本棚登録 : 604
感想 : 43
4

50頁弱の短編小説なので、休憩代わりにさらりと読了。
同文庫に収められている他の短編は又の機会に。

ブラッドベリの華氏451度を読んだ直後だからであろうか、この短篇が抑揚無く淡々と進んでいく様が、ことさら心地よく感じた。

以下、ネタバレにならない程度に、断片的な感想をば。

流浪の旅にでた王子「子昭」が、当初の目的地にて「甘盤」に出会うも、
「所詮、知識は人の表層に過ぎぬ」
という虚しさに直面する。

その後、高祖の墓を目指して西走する道中で、ついに子昭は「言葉」と出会う。

それは、言葉を持たない王子「子昭」と、聞こえぬ声を聞き取る「傅説(ふえつ)」との出会いだった。


そして、言葉を発することのできない王子が、あるものを発明する。

「沈黙の王」
なるほど、言い得て妙のタイトルだ。



2014.07.05
表題作以外も読了。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 千夜千冊
感想投稿日 : 2014年6月25日
読了日 : 2014年6月25日
本棚登録日 : 2014年6月25日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする