キラーストレス 心と体をどう守るか (NHK出版新書)

  • NHK出版 (2016年11月8日発売)
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厚生労働省が発表した統計によると、
躁うつ病にかかる患者は94年時では43.3万人、
14年時では111.4万人と、
20年で2.6倍になっています。
認知件数が増えたというよりも、やはり社会環境の変化によって
、絶対数が増えたと思います。
日本社会は、ますます利便性を追求していますが、
その歪みが、個人が受けるストレスとして、
多くの日本人に精神疾患の増加として、現れています。

ストレスで、うつ病になる。
(ある見方では)うつ病は、慢性ストレス性精神疾患と言います。
よって自分にふりかかるストレスが何なのか、見極め、そして
日々の生活習慣を見直す必要があります。

この著作では、まずストレスチェック(ライフイベントにおける)
を行うように勧めています。
このチェック表は、かなり使えると思いました。

項目によって、ストレス指数が全然違います。
不謹慎ですが、配偶者の死などは、感じるストレスの中で、
最も高い部類に入っています。(また不謹慎な言い方ですが)これを知っていれば、
似たような状況になった場合の対策を講じることができます。

そして、ストレス対策として、
コーピングや運動
マインドフルネス
を取り上げています。

コーピングなら(一つの方法として)、自分にとって、
気分が上がる行動をリストアップし、
実際に行動して、10点満点で採点する。
得点が高ければ、それは自分にとって、ストレスを軽減できる、
行動となる。

そして、そのリストを意識的に増やしていくようにする。
自分のストレスを「観察」する習慣、そして、
「対応」するという意志と行動を徹底的に行なう。

ストレスキラーの背景にあるのは、
もはや、誰も自分も守ってくれない、
自分の身は自分で守らなければいけないという
社会状況になっているからだと思います。

職場などで発生するパワハラ(いじめ、いやがらせ)などは、
増加し続けています。

いついかなるストレスが来るかわからない。
カラダの健康に気をつけて、
バランスの良い食事を心がけるように、

普段から精神の健康を保つために、いかにストレスと付き合うか、
という、今の日本人の誰もが考えなければいけないことへの、
対処療法が、分かり易く書かれています。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2018年8月25日
読了日 : 2017年6月19日
本棚登録日 : 2017年6月19日

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