こういう人生を送る人もいるんだろうな、と思わせる最初の物語から始まって、ぐるりと大きな円を描きながら、でもそれは徐々にひとつの糸に縒られていくような短編集。
宇宙空間を一人で漂っているような、あてどないぼんやりとした大きな寂寞の想いが胸を満たす。まさにそれは、三浦しをんさんが描いた世界そのものだ。
この、じりじりと心を蝕むような寂しさが、今の私は嫌いではない。
だからきっと、何時でもない、今の私にちょうどいい物語だったのだろうと思う。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2012年3月12日
- 読了日 : 2012年3月11日
- 本棚登録日 : 2012年3月10日
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