少年の名はジルベール

著者 :
  • 小学館 (2016年1月27日発売)
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感想 : 96
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 話では聞いていた大泉サロンのことと竹宮恵子さんのまんが道についてたっぷり語られている。萩尾望都さんを強烈に意識していて、自己評価が萩尾さんが10だとすると、ご自身が2くらいの圧倒的な大差で、同居していてつらそうであった。漫画での表現がうまくコントロールできるようになるのがデビューして大分たってからの長編漫画であったという。オレも同じ漫画家として意識の違いなのか、そんなことは気にしたことがない。確かに、手に余る表現には挑戦したことがなく、それが大ヒット作を生み出す週刊連載漫画家としてのあり方であったのかと、もっと早く知りたかった。少女マンガに革命を起こすと意気込んでいるところもすごい。オレも童貞漫画に革命は起こしたかもしれないが、漫画業界の片隅でサバイバルすることで精一杯だ。

 お友達の増田さんの存在も非常に大きく竹宮さんの作品や少女マンガそのものに影響を与えているようだった。

 『風と木の詩』は読んでいたような気でいたが、読んでいなかったのでこの機会に読んでみたい。

 すごい本だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション・エッセイ・評論など
感想投稿日 : 2017年10月15日
読了日 : 2017年10月15日
本棚登録日 : 2017年10月15日

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