北の帝国や種族差別、カルト宗教、そして「ハルネラ」。本書が示す「ファンタジー」は単なる冒険活劇ではなく、我々現実社会の暗喩である。確かに仲間とともにミッションをクリアしていく様はRPGゲームさながらだ。しかし、所々強烈な現実を織り交ぜてくる。例えば毒の沼での出来事は人間の抱える闇を描く象徴的出来事だ。
本書の中で特に印象に残ったシーンは母親と一時再開するシーン。弱くなった母親の姿をみた亘が決意する姿に、不覚にもウルッときてしまった。
これが子ども向けとされ、実際に子どもが興味を持って読んでいるということは、、、私は大人としてまだまだということなのかもしれない。
小学校でくだらない文部省公認の教科書をみせるより、本書を読ませたほうが数万倍有益だ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文学
- 感想投稿日 : 2013年12月24日
- 読了日 : 2013年12月24日
- 本棚登録日 : 2013年11月19日
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