「時刻表2万キロ」が全線踏破なら、本書は北から南まで国鉄一筆書きの旅だ。北海道の広尾から、行きつ戻りつつ、鹿児島県枕崎を目指す。まず最長の定義調べ、国鉄の規程の確認、前代未聞の切符購入まで、普通の人からすると馬鹿馬鹿しいまでの情熱がここにある。荘厳ささえ感じさせる。
本書の中では全国の各地名が登場するものの、描写はほぼ乗客に関するものだ。なのに各地の情景が目に浮かぶから不思議だ。いまでこそ青春18切符(もしや筆者を真似する人が続出してできたのかも)やインターネットがあり、飛行機も安価になり鉄道で旅をする必然性は薄れたものの、当時の限られた情報源で目的を持って制約を課して旅する筆者が羨ましくもある。
なお切符の写真も掲載してあると良かった。次回改訂には是非掲載いただきたい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
軽めのビジネス書
- 感想投稿日 : 2014年11月9日
- 読了日 : 2014年11月9日
- 本棚登録日 : 2014年10月28日
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