「栄光の5人組」を紡ぐ50年に跨る圧倒的なスケール感。必然か偶然か、誤解やすれ違いは時に残酷に時に優しく人々の過去を紡いで未来を織り成す。全体的に漂う雰囲気は荷風の言う「暗愁」であるが、清濁飲み込んでそれでも今を生きようとする潔さに心地よい読後感を感じる。
難点としては、第2章の学生時代の描写がラノベノリであるところと、それぞれの登場人物が生み出す物語に対して真犯人とそれに付随する真相がややパンチが弱すぎるように思う。そこに目を瞑れば素晴らしい大河刑事小説に仕上がっている。直木賞候補になったのも納得の作品。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文学
- 感想投稿日 : 2024年1月8日
- 読了日 : 2024年1月8日
- 本棚登録日 : 2023年12月5日
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