木曜日だった男 一つの悪夢 (光文社古典新訳文庫 Aチ 1-1)

  • 光文社 (2008年5月13日発売)
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感想 : 64
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非常に多面的な顔を持つ小説だ。冒頭の抽象的な詩文から始まり、無政府主義結社に潜入し真相に迫ってゆくサスペンス調の中盤とは打って変わり、後半はなんだか喜劇を読んでいるようである。めまぐるしく遷り変る立場と音楽的な文章が読者を混乱させる。エンターテイメント性があるのは間違いないが、なにやら哲学小説なような側面もある。

序盤はやや退屈かもしれないが、進むにつれ面白みは増していくので、読み手を煙に巻くような妙を味わっていただきたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文学
感想投稿日 : 2017年4月3日
読了日 : 2017年4月3日
本棚登録日 : 2017年2月27日

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