ゲーム理論・入門 新版--人間社会の理解のために (有斐閣アルマ)

著者 :
  • 有斐閣 (2014年9月18日発売)
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感想 : 15

ゲーム理論とは社会科学(特に経済学)において、人間の行動を合理的に説明するための理論です。本書はその理論を初学者、一般向けに解説した本です。「人生はゲームだ」といった表現があるように、私たちの日常はある種のゲームの集まりでできているといっても過言ではありません。ここでいうゲームは、「行動主体が一定のルールに従い目的をもって行動する」というあらゆる活動に共通してみられる特徴をもったものを言います。例えば経済学において各人がそれぞれの利得を最大化するように行動するといった仮定をおけばそこからゲーム理論によって人々の行動が説明できるというのです。
創設者はフォン・ノイマンという人で、20世紀を代表する数学者です。量子力学、解析学、情報科学においても偉大な成果を残しています。現代のコンピュータの原型(理論)はノイマンが作ったことからそれらは「ノイマン型」と呼ばれています。そんな数学者が作ったゲーム理論は数学的におもしろい部分もあり、理系の学生にも学ぶ意義は十分にあると思います。
あまりにも複雑なこの世界に潜む規則、原理をやはり数学を使ってあらわにするといったおもしろさは社会科学においても十分に味わえることを教えてくれる理論だと感じました。数学なんてどこで使うの?と言っている人には是非読んでほしい一冊です。
(理科Ⅰ類・1年)

【学内URL】
https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000017122

【学外からの利用方法】
https://www.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/gacos/faq/gakugai.html

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: e-book
感想投稿日 : 2021年1月29日
読了日 : 2021年1月29日
本棚登録日 : 2021年1月29日

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